「そして!グレーテルがいれば、もちろんいるのは、ヘンゼルですね!
ですが、もちろん!わたしは今、役者スイッチはOFFにしています!」
わたしは人差し指を立てた。
「なので、ヘンゼル役の方に登場していただきましょう!
『高音歌い手』と言ったら、この人!『椎斗』でーす!!」
わあっではなく、会場はキャーッという声でいっぱいになった。
それと同時に、海斗がかけ上がってくる。
わたしが微笑むと、海斗も笑った。
「こんにちは!椎斗でーす。」
海斗……いや、椎斗は、軽く自己紹介をして笑った。
「まあ今回は、1-3の一員として!『ヘンゼルとグレーテル』の宣伝に来ましたー」
椎斗が何か喋れば、会場から黄色い歓声があがる。
「1-3の劇は、午後の部の2時から!みなさん、来てくださいねー」
「お待ちしていまーす!」
2人で交互に喋れば、今までにないくらいの歓声が上がった。


