ステージの階段をかけ上がると、会場が一気に盛り上がった。
でもわたしは、ちゃんと段取り通りに───
少しうつむき、ゆっくり、ゆっくり、靴音が響くように歩き出す。
急なパフォーマンスに、会場の時間が止まったかのように静かになった。
あぁ、こういうの…好きだなあ……
そして中央まで来て、静かに、前を向く。
スッと顔を上げてから──…ニヤリと、口角を持ち上げた。
一瞬、会場から悲鳴があがりそうになった。
でもわたしはすぐに、パッと明るい笑顔をつくり、マイクを持ち上げた。
「みなさん、こんにちは!本日は文化祭にお越しいただき、ありがとうございます!1-3から来ました、AmiKaでーす!」
わたしが一気に叫ぶと、会場も一気に盛り上がった。
わたしの名前を呼ぶ声が飛び交う。