「電話しちゃいますねー」
わたしはそう言いながら、海斗に電話をかけた。
「───もしもし?」
『おー、あみかちゃん!』
あみかちゃんから電話来たー!と叫ぶのが聞こえる。
『劇の主役ってOK?』
「えーっと…なにやるの?」
海斗がまた、なんだっけーと叫ぶのが聞こえた。
『──っと、ヘンゼルとグレーテルアレンジ!あー、代わる!』
海斗はいきなりそう言った。
すると今度は、女子の声が聞こえた。
『やっほー、りかだよ。うちがアレンジするんだぁ。あれ、ヘングレが追い出されてから復讐するって話!』
「そう…それはすごいね…ってか、アバウトすぎ。」
わたしはクスリと笑った。


