おかしな二人



辿り着いた場所は、番組撮影をしているスタジオだった。

何人ものスタッフが忙しなく動いている中、セットの傍で寛いでいる数名は、コンビニと居酒屋で以前見かけた人たちだった。

「あれ。俺のメンバー」
「はぁ」

メンバーと説明され、以前テレビで演奏していたなぁ。なんてのも思い出す。

楽しそうに話している言葉は、水上さんと同じ関西弁だ。

あたしは、カメラの後ろに置かれた簡易テーブルの傍に置いてあるパイプ椅子に腰掛ける。

「あと少し撮影したら上がれるから、待っといて」

そういい残すと、メンバーたちが待つセットの方へいってしまった。

慣れないこんな場所に一人ほっぽっとかれて、あたしは怯えた子供のよう。
場違いなんじゃないかと、一人ビクビクしてしまう。