「朝ですよ。そんでもって、腕解いてくれませんか?」 皮肉いっぱいに言ってみる。 怪訝な顔のままの水上さんは、至近距離であたしにそう言われやっと状況を呑み込んだらしい。 「あ……。すまん……」 「いえいえ。どういたしまして」 もう一度、皮肉いっぱいににっこり笑顔を向けてやると、慌てて腕を解き水上さんはが起き上がった。 あたしは、乱れた髪の毛を手で直し、ご飯できてますから。とそっけなく言って寝室を出た。 背後では、ほんまに、すまん……。と零す声が聞こえていた。