あたしは、必死に顔だけでもと精一杯うしろに反らし、なんとか水上さんの寝ぼけちゅうを回避しようと試みる。
しかし、鯱並みに反れるだけ反っても距離は、縮まっていく一方。
力強い腕で引き込んで、あたしの頭を抱えるようにしてどんどん近づいてくる。
実は、起きてるんじゃないの?
そう疑いたくなるほどの強引さ。
マズイでしょっ。
マズ過ぎるでしょっ。
「みっ、水上さんっ!」
腕から逃れられないことを悟り、至近距離で大きく名前を叫んだ。
すると、バチッと目を開ける。
寸でで止まる、ちゅう攻撃。
セーフ……。
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