おかしな二人



それにしても、あたしは確かに明ですが、ベッドの中から呼ばれるような関係ではないですよ。
どこぞのあかりさんと勘違いなさっているんでしょうか? まったく。

そう思っているうちに、水上さんの顔が近づいてくる。

ちょっ、ちょっと待って!

それは、まずいでしょーよっ。

ちかっ、近いよ、ちょっと!

ジタバタしてみても、力強く抱かれていて離れることができない。
その間にも、顔はどんどん近づいてくる。

このままい行けば、ちゅうっ?!

ないっ。
ない、ないっ!

確かにドキッとしたことは認める。
けど、それとこれとは別問題よ。

大体、あなた売れっ子ミュージシャンでしょ?
こんな事が世間様に知られたら、どうすんのよ。

つーか、こういうことには慣れっこ?

あっちのアカリちゃんや、こっちのアカリちゃん。
なんて感じで、色々手をつけちゃってるってわけ?

だけど、あたしをそのアカリちゃんたちと一緒にしてもらっちゃー困るんですけど。

どんなに借金があっても、体だけは許していないんだからっ!