ムッとして、眠る顔を睨んでみたところで、どうにかなるものでもない。
ただ、スヤスヤと眠る水上さんの呼吸が、あたしの髪の毛を微かに揺らすだけ。
なんとか腕の中から逃れようともがいていると、水上さんの口が動いた。
「あかり……」
えっ……。
んー。
なんてセクシーな声で言ってくれちゃうのかしら。
不覚にも、ドキッとしてしまったではないか。
大体、よく見ると顔立ちは整ってるのよね。
嫌いじゃないのよ、この手の顔。
眉なんかもきっちり整っちゃってるし。
まぁ、テレビに出てる人なんだから当たり前のことだろうけど。



