「おかしいことなんか、ないだろ……」
凌は、力ない声で訴えかけてくる。
けれど見つめてくる瞳には、決意のようなものが強く見えた。
「だって、俺たち、血は繋がっていないんだ。だから、こんな気持ちになったって、少しもおかしいことなんかない。そうだろ? もともと、無理なことだったんだよ。連れ子同士が異性だなんて。こんな気持ちになるのなんて、わかりきってることじゃないか。好きになったって、少しも不思議じゃないんだよ」
疑問を投げかけるようにしているけれど、それは当然の事というように掴まれた肩を強く握られる。
「ずっと、言えなかった。だけど、もう胸に収めておくには、気持ちが大きくなりすぎたよ。俺、明を見つけることができた時、あれだけ好きだと思っていた奈菜美の事を、少しも考えなくなってた。明のことだけで、頭も心もいっぱいになって自分じゃどうしようもなくなってた」
握っていたあたしの肩から、凌の手が離れていく。
離れた手は背中に回り、あたしをゆっくりと引き寄せた。
凌の胸の中に、あたしはすっぽりと納まる。
ドクドクと早鐘を打つ心音が、耳に届く。



