「水、飲む?」 「コーヒーがいい」 「我儘」 「病人は、我儘なものなんだよ」 「えっらそう」 少しだけ笑い合い、あたしは立ち上がる。 食器棚からカップを取り出そうとしたとき、ふと目に入ったものがあった。 「これ……」 飾り棚の、ガラスの奥に見えるものがあたしの目を奪う。 そばに寄り、扉を開けて手に取った。 「凌、これって」 ソファに座る凌を振り返り、小さな小瓶を掲げて見せた。 「こんなところにあったんだ……」 「ぁあ」 凌が懐かしむような目をする。