なんだかんだと講釈を垂れつつも、美味しい料理を期待し、後ろ髪を引かれながらパフェを諦め、水上さんと同じコーヒーを注文した。
マスターが下がると、水上さんは被っていたキャップと着ていたダウンを脱ぐ。
あたしも、コートを脱ぎ傍らに置いた。
さっきまで帽子に押さえつけられていたせいか、水上さんの髪の毛はぺったりとしている。
それを嫌がるように、バサバサと髪の毛をわざとグチャグチャにしてからスッと後ろにかき上げた。
その辺の男がそんな仕草をした日には、なにチャラチャラしてんだよっ、なんて思うこと必至だろうけれど、様になっているその姿は、ただ、ただ、カッコイイと思わざるを得ない。
さすが人気バンドのヴォーカリストだ。
そんな水上さんの傍らには、さっき買ったアクセサリーの小袋が置かれている。
どんな人が、それを貰うのだろう?
ふと、そんな事を考えてみた。
その人は、水上さんの事をどう想っているんだろう?
お互い好き同士なんだろうか?
それとも、水上さんの片想い?
水上さんは、その人の事をどれくらい好きなんだろう?
仕事が忙しいみたいだし、逢う時間はあるのかな?
あたしはぼんやりとそんな物思いに耽りながら、アクセサリーの袋を見つめ続けていた。



