洗い物を済ませてから、朝掃除できなかった寝室のドアをノックした。 「なんや?」 「お掃除するけど、入っていい?」 ドア越しに訊くと、おう、と短く返事が聞こえてくる。 「おじゃましまーす」 声をかけて中に入ると、水上さんはベッドの上で胡坐をかき、ギターを抱えていた。 口の端にご飯粒がないところを見ると、どうやら気がついて取ってしまったらしい。 そのままついていたら、突っ込んであげようと思ったのに。 残念。