おかしな二人



翌日のクリスマス。
あたしは、冬の寒さと今日で最期となる命に恐怖で早々に目を覚ます。

ぬくぬくとした布団から出る勇気はかなり必要だけれど、それより何より、今日で命の灯火が消えてなくなることを思えば、この都会の寒さなど屁でもない。

ガバッと布団をはぎ、寒さに身を縮めながら今日という日を大切にしようと深呼吸をする。

すーっ、はぁーーーっ。

たつ鳥跡を濁さずではないけれど、荷物の整理などちょっとしてみようか。
といっても、持ち物などほぼ無いに等しいけれど。

キッチンやお風呂やトイレもいつも以上にきれいにして、ふうっと息をつき振り返ると、背後には仁王立ちのチンピラが居た……。

まだ眠そうな顔を、不機嫌に歪めて立っているその姿に、ぞっと鳥肌がたつ。

「ひいっ!!」

忍びもびっくりなくらい気配を殺して背後に立っていたのは、今日あたしの命を狙っている張本人の、水上さんだ。

おぬし、伊賀か?
それとも、甲賀か?
ニンニンッ!

思わず、はっと身構える。