その世にも恐ろしい顔つきに、あたしはブルリとひとつ身震いをする。
明日で、あたしの命は最期を迎えるかもしれない。
キリスト生誕の日に最期を迎えられるなんて、ありがたすぎて涙が出そうだ。
凌との食事が、最後の晩餐だったのね。
最期に美味しい物をいただけて、あたしは幸せだわ。
凌には苛められてばかりいたけれど、最後にいい思い出ができたのかもしれない。
アーメン。
満足した水上さんは、残りのビールを飲み干すと、歯磨きをしてご就寝。
あたしは、遺書を書くべきかどうか、悩みながら寒々とした恐怖の明日を思い眠りについた――――。



