キッチンでぶつぶつと独り言を呟いていたら、背後に気配を感じた。

「ええ匂いやな」
「ひっ!!」

物音も立てずに起きてきた水上さんにおもわず驚き声を上げる。

「なんやねん」

行き成りの登場に、焦っていると眉間に皺を寄せられた。

「す、すみません……」

あたしは、慌てて頭を下げる。

水上さんは、キッチンに用意されている品々を覗き見るようにしている。

「飯、作ってくれたんやろ?」
「はい」
「じゃあ、シャワー浴びてからにするわ」

そういって、頭をガシガシとかきながらリビングを出て行った。