「そんなに気にすることはないよ。その辺の店と同じだよ」
全然っ、違うし。
こーんなに落ち着いた雰囲気で、静かに談笑する大人たちしかいない中、あたしみたいな若造が慣れない高いワインや料理を口にしていいのか? と否応なしに思わせる。
「もっと、ガヤガヤしたところが良かったよ」
兄妹だからこそ言える我侭。
「そうか。わかった、今度は、そうする」
「うん」
と返事をしてから、今度もあるのかよっ。と突っ込みそうになったけれど、とてもこの場にそぐわなくてゴクリと飲み込んだ。
「今、どんな仕事してるんだ?」
運ばれてきた料理を、ゆっくりと口にして凌が訊ねる。
「う~ん。ホームヘルパー」
あたしは、詳しく話したくないので簡単に言う。



