「うまいなぁ」
シミジミというように、揚げだし豆腐を咀嚼した水上さんが呟いた。
「ありがとう」
作った物を人に褒められるのは、嬉しいものだ。
「どんどん食べちゃってね。ご飯も、お代わりしてね。あと、きんぴらと揚げだしもまだあるから」
「おう」
敬語にならないよう気をつけながら、箸の進む水上さんにお代わりを勧めた。
水上さんは、思った以上に食べてくれた。
ご飯と味噌汁もお代わりをして、綺麗に食事を平らげる。
あたしは、満腹になって椅子に座り、背凭れに寄りかかる水上さんへ食後のお茶を出す。
熱さに顔を顰めながら、ずずとお茶をすする水上さんは、縁側のおじいちゃん並に穏やかな顔つきをしている。



