おかしな二人



新幹線は、三時過ぎに着くらしい。
その後、事務所が用意した車でマンションまで帰ってくるとか。

夕食は家で食べるらしいから、あたしはお昼を過ぎた頃からできる範囲での下準備は既にしてあった。

こじゃれた壁の時計に目をやると、時刻は四時。
道が混んでいなければ、あと一時間もせずに帰ってくるだろう。

炊飯器のスイッチを入れ、食事の準備に取り掛かる。
大阪は食い倒れの街だから、色んな美味しい物を食べてきているだろうけれど、家庭の味っていうのも悪くないでしょ? 的なメニューを用意する。

炊きたてのご飯に赤だしのお味噌汁。
焼き魚にお新香。
きんぴらと揚げだし豆腐もつけちゃう。

お帰りなさいのメニューにしては、上出来じゃない?

もう一度、壁の時計に目をやった。

そろそろかな?

そう思ったところで、ガチャリとドアの開く音がした。