華やぐ店内をプラプラとし、一つの品物に目を止める。 「あと一ヶ月もすれば、クリスマス、なんだよね……」 小さなそれを手に取り、ゆらゆらと揺らして笑みを浮かべる。 「喜ぶかな?」 小さく呟いてから、こんなもの貰っても迷惑か? としばし悩んだ。 でも、クリスマスだしね。 ささやかでも、気持ちの問題だから。 人のために贈り物を買うなんて、生まれて初めてではないだろうか。 母が生きていたら、誕生日や母の日にはプレゼントを贈りたかったな、なんて少ししんみりしてしまった。