おかしな二人



翌日。
水上さんは居ないけれど、あたしは当たり前のごとく早起きをして部屋中を掃除して回った。

そうしてひと段落つき、棚の上にあった紅茶の葉を少々拝借して一人優雅にティータイムなんてしてみる。

掃除をしている合間には便利屋の社長へ電話をして凌のことを問いただすと、案の定金を握らされていた。
働き場所を探し当てた凌が、どうしてもあたしに会うため断らないように社長へと依頼したらしい。

全く、社長もお金には弱いってことか。
仕方ないか、この不況じゃあ。

リビングで流れているテレビのニュースは、未だ不況の波はとまらないと告げている。

仕事があるだけ幸せってなもんよね。
ありがたや、ありがたや。

あ、水上さんを神棚に祀るの忘れてた。

ま、いっか。

大阪のほうに向かってぺこりと頭を下げ、パンパンッと拍手(かしわで)を打つ。