あたしは、慌てて、フレンチトーストを焼き始めた。
火が通るのに、少しばかり時間が掛かるフレンチトースト。
てか、焼いている間に水上さんのが冷めちゃいますよ、と待っているだろう水上さんを振り返る。
しかし、そんな気遣いは無用だった。
あたしのフレンチトーストが出来上がるまでの間に、水上さんはすっかり完食していて、添えたヨーグルトを子供みたいな顔してスプーンですくい食べている。
ですよねー。
そう毎回、待ってるわけないですよねー。
あっははー。
水上さんはマイペースに食事を進め、今度はサラダを突いている。
その目の前に、出来立てのフレンチトーストが乗ったお皿を置いて、あたしも着席した。