イライラしながらも、水上さんがいつ帰宅してもいいように、お風呂の準備を始めた。 程なくて、お酒の入ったほろ酔いの水上さんのご帰宅だ。 「お帰りなさい」 玄関先までお出迎えに行くと、あたしを見るなりギロリと怖い顔をする。 ひいぃーーっ。 恐いでふ。 やっぱり、バイトなんか行っちゃったのが気に入らなかったんだろうか。 借金のためなんですよぉ。と泣きそうになる。 さっきまで、稼いだお金でコートを買ってやるくらい思っていたくせに、心の中ではそんな言い訳しか出てこない。