ずっと、恋愛対象として連のことを
見てこなかったから…
まさか、連が自分のことを…
そんなことは考えもしなかった。
花火大会も終わり、帰りの電車を
待っていると、雨が降ってきた
「ほら、言ったでしょ。連があんな事
言うから…だから、雨、降って
きちゃったんだよ」
「ごめん…。紗智、傘もってる?」
「今日は晴れだって聞いてたから
持ってないよ…」
「これ、俺の。使っていいよ」
連が折りたたみ傘を貸してくれた。
「あ、ありがと…」
連って、こんなに優しかったっけ…
確かにいつもそばにいてくれたのは
連だった。
友達と喧嘩して泣いた夜も
家族のことで悩んだ日も
朝まで電話で話を聞いてくれた
体調が悪くなればお見舞いに来て
こんなに優しかったんだ…
