空港で、私はなおくんへのおみやげに、くまのストラップを買った。
なおくんの好きそうな感じではなかったけど、韓国であったことを、どうしても無かったことにはしたくなかった…
だから、おそろいのストラップで、少しでも
おくんと繋がっていたいと思った………
なおくんとの関係の証拠でもあった。
なおくんをメールで呼び出す。
みんなが居るところの前では、
二人にはなれない。
だって…こんなこと、誰にも言えない…
「どうしたの、紗智。」
なおくんが走ってきた。
「あ、なおくん。別に走らなくてもよかったのに…」
「どうした?」
「えっと…あの、これ…買ったんだ。おそろいのストラップ。」
「俺にくれるの?ありがとうな。大切にするよ。」
「ありがとう!………でも………」
「どうした?」
「離れたくないよ…」
「大丈夫だよ。日本に帰っても、たくさん会おう」
「うん……」
