浩介くん「なお、翔太。」

なおくん「あぁ、兄貴。来てたのか。もうこっちは落ち着いたよ。それより兄貴、真奈ちゃんとはどうなんだ?お前、明日結婚式だろ?…こんなことしてていいのかよ。」

翔太くん「俺…俺…本当…二人には幸せになってほしいんだよ…」



翔太くんが泣き出した。


思わず私は翔太くんの頭を撫でていた…




「翔太くん…もう大丈夫だよ…もう、心配しなくていいんだよ…」

「紗智…ありがとう」

「じゃぁ、私…そろそろ帰ろうかな」



なるべくはやく、浩介くんから離れたかった。


そばにいることが、辛かった。




なおくん「じゃぁ俺、隣の部屋まで送ってくよ」

「いいよ…すぐそこだし…」

「いいからいいから」

「あ、ありがと…」



廊下に出るとなおくんが心配そうに聞いてきた。



「紗智…どした?」

「な、なにが?」

「なんか…元気ない…」

「なにもないよ…」

「兄貴と…なんかあった…?」

「なにも…」

「紗智、嘘つきだ。紗智ってわかりやすいもん。…で、なんかあったの…?」

「ん…さっき…」



私はさっきあったことを全部なおくんに打ち明けた。




「そっか…。ごめんな…俺が側にいてやれなくて…。俺が居てやったら…こんなことにはならなかったのに…。」

「なおくんは…なにも悪くないよ…」

「これからはそばに居てやるからな…」

「ごめんね…ありがと…。じゃぁ…もう帰るね…」



なおくんは優しく、強く私を抱き締めた


それから…優しい…優しいキスをした


今でも、離れない…消えない…


消せないよ…



君のぬくもりが…