黒髪の少年

シルビアの顔は真っ赤になっていた。
同じく、アレンも
真っ赤な顔をしていた。
アレンは恥ずかしそうに続けた。
「君が僕の国の街の女性と、
肩がぶつかって騒ぎになった時から
何故だか君が気になってた。
それは君が僕の国の女性と
違う服を身に
まとっているからかもしれなかった。
でも...その気持ちは
おさまってはくれなかった。
なんだか苦しくて、海に行った。
そしたら其処には、君が来た。
気になる君に会えた時、
何とも言えない気持ちだった。
勿論嬉しい意味でだよ。
君がきつい性格だという事は、
色んな人の口から聞いてた。
でも君のあの姿からは、
どうにも想像が出来なくて。
君を知りたくて...」
「もういいわ、アレン」
シルビアは落ち着いた声で遮った。
「あたしもね、あなたが好きなの」
彼女は目を逸らして告白した。