黒髪の少年

何処で情報を拾ったかはわからない。
だが、シルビアは確実に叱られている。
「あれだけあの一族と関わるなと、
言っているではないか！！
何故貴様はそれが守れぬのだ！」
父は怒りに狂っている。
「あたしの勝手でしょ」
「貴様は自分の体の事を知っていて
その様な事をほざいているのか？」
「いけないの？」

今日の喧嘩はいつもより酷かった。
でも何故アレンと
会ってはいけないのだろう。
シルビアにはそれが、
何時間考えても理解出来なかった。
なんだか無償に悲しい気分だった。
シルビアが見上げた空は、
晴れているはずなのに
少し暗い雲がかかったように見えた。