ーー


「ぷはぁっ!」



勢いよく息を吐く彼、ユート。


ユートの右手には……
おしるこラーメンの缶。



「やっぱりうまいなぁ……おしるこラーメン!」



「本当にユートの味覚って不思議ってか不気味ってか……悪趣味ね。 」



本日3本目のおしるこラーメンを空にした彼。

今までにないくらい幸せそうな表情をしていた。


その表情は、
「もう、なんて言うか幸せ通り越して極楽な気分だな、うん。今なら天国へ逝ける」
と、言っている。



「な、なぜ分かった……!?」



……私ナレーションですからね。



「り、リーア!ナレーションってのは恐ろしいな!」



「アナタなに言ってるの!?」



ツッコミ担当の妖精、リーアが叫ぶ。


「ナレーションこぇぇ」とか言ってるユートを怪訝そうな瞳で見つめた。



そして心の中で呟く。




「あーあ……何でよりによって、こんな味覚オンチなへっぽこが世界を救うための救世主なのかしら……」



「おい、心の声もれてんぞ」



「あら、失礼。」



どうやら声にだしてしまっていたらしい。