涙のあかし


ピピピピッ

ふぁーあ、寝みぃ。


…そうだった!

今日は夏生に会うんだった。


だぶだぶのジャージに着替え、
ちょっと早めに出発。


東京駅―――――。

心臓がどくどくいってる。
まだ夏生はいない。夏生が
来たとき、なんていえばいいんだ。

『おはよう』?

意識するたび心臓が爆発しそうだ。


「翔馬!ごめん、遅くなっちゃった」

時間より10分オーバー。

「おはよ、で、なに?」

黄色いワンピース。華奢な体に
とっても似合っている。

「あ、あのさっ。ちょっと、
美味しいカフェ見つけたから行こ?」

「ぷっ!いいよ。お任せします。」


可愛い。
すっごく可愛い。


「…」


なんか、話さなきゃ。