俺の目の前まで来て、自慢げに喋り始めた。
「俺様にはどんなことも分かる。
貴様の記憶、心拍数。その外色々。
まぁ、貴様は俺様のことを知らないようだが。この場に俺様がいるということは、俺様を呼んだということだ」
「え、えっと?」
「俺様を呼んだのは貴様だ。俺様を煮るなり焼くなりする権利は貴様にあるわけだが……」
延々となにかを喋っているが、俺は混乱していた。
細かいことはよく分かんねーけど、とにかく、また悩みが増えるてことなんだろう。
今日は全然勉強してないっていうのに、あーもう!頭痛い。
「貴様、悩んでいるんだろう?俺様が手伝ってやらないこともないぞ」
「マジで?」
てことは……。
「……ただし、貴様の頭を良くする、なんて芸当は不可能だ」
「!」
「なんで?」
「不自然だからだ。貴様のような頭の悪い奴が次の日突然頭が良くなったという。それは周りの奴から見たら、異常と思われてしまう。酷い場合は……モルモットにされてしまうかもな」
……モルモットって。
「そんなことにはならないって、だってテストの点数が良ければいんだし……」
「さぁ、どうだろうな。それより、貴様の兄とやらが貴様を呼んでいるようだぞ」
「あ!そうだった、早く行かねーと……。
あー、あと悪魔?さん、俺の部屋で静かにしててくれよ。暇ならこの部屋にあるものなら、適当に物色しててもいいから」
「貴様が命令するな!そんなこと分かってる」
ドアを閉めると、居間へ急いだ。