「今週の罰ゲームは、クラスのトップとビリがキスすること。分かってるよな、藤堂?」
「なんだよ。俺がビリだっていうのかよ」
「ん?可能性があるだけだろ。ま、お前の頭じゃ今回も駄目かもな」
「なっ!」
周りの奴の笑い声が聞こえて、言い返す言葉がなくて悔しくて、唇を噛んだ。
その通り俺、藤堂サクトは頭が悪い。
ビリなんて日常茶飯事。
とてもじゃないけどクラスで1番になんてなったことがない。
そのせいで、罰ゲームなんていうものをするようになってから毎回のように罰ゲームをさせられていた。
誰かと手錠で繋がれたり。
パシリになったり、散々な目にあっていた。
今度は俺が罰ゲームをする側になればいいんだ!
とも考えたが……。
俺の頭の悪さは教師のお墨付き。
ビリにならないようにするのが精一杯だった。