図書館の眠り王子

顔を青くするあたしを不思議そうに眺めながらスタスタと彼は通り過ぎた。


が。



たぶんあたしは寝起きで頭がどうにかしていたのだろう。


「あ、あのっ。」



振り返る彼。心底驚いた顔で。



「あ、あたし、鍵を職員室に返しに行くんですけど…、えっと、1人じゃ怖くて。…ついてきてくれませんか?」





こんなことを口走っていた。