図書館の眠り王子

さっきまでほとんど無表情、むしろつまらなさそうだったその表情が、一気に柔らかくなった。




「あゆみ」




あたしの名前を呼んでこっちに来て、って、えええええ!?




(見てる、見てるって女の子たち!)




あたしの隣に来た大地は、あろうことかあたしの手を取って、



「ごめん、オレこいつと帰るから。」



とか女の子たちに言って歩き出した。