次の日、外から懐かしく、やかましい声が響いた。

『真〜!!三島真〜!』と言う声が聞こえてきた。

間違いなく真だ。

というかまだ朝の6時前だぞ。

寝たふりをしようと思ったが、母さんは農協でいないので家のものは私しかいない。

仕方なく出てみると、張り切っている真がいた。

『遅い!!いつまで寝てんだ!?』

『神社の起きる時間が早いからだろ。寝かせてくれ。』

『今日は白百合村まで散歩に行きます。』

『話をきいてくれ。ていうかヤダ。』

『大丈夫!熊なんか出ないから。』

『誰もそんな事は言ってない。』

『あと十分で支度をしなさい。』

ヤバい完全に真のペースだ。寝ることはもうできないが、少しでも時間を稼ごう。

『真の作ったおはぎを食べさせてくれれば行くよ。』とふざけていうと。真は顔が引きつった顔をした。

『な!なんで、そのことを?・・・香織か。』

私はしてやったりの顔をしていると、真はニヤリと笑った。

『ふふふ。そんなに食べたいなら今食わしてあげるわ。』と手に持っていた包みを開けて五段の重箱のフタを開けた。

おはぎがたくさん入っていた。

私の顔は一気に引きつり形勢逆転されてしまった。