「さっさとお風呂入って今日は休むよ!」



 バスに乗るなり、真希が言ってきた。
 確かに、体が疲れているから、その通りにさせてもらおう……。



 ホテルにつくまで寝ようと思い、目を閉じると、バタバタと騒がしい音がした。



「__林檎!! 倒れたって!?」



 浩、だ……。かなり焦った顔をして、ずんずんと私達の席に近付いてくる。



「あー、うん。でも、全然何とも無いよ。竜ちゃんと真希がいたし」



「……そっか。……俺が、最後尾じゃなかったら、すぐ行けたんだけど……」



 ……女の子と話してたのに__?



 浩の“好き”は、本気じゃないのかも知れない。
 そんなの、前から思っていたことじゃないのか。



 浩の“好き”を受け流してたのは自分じゃないの……?