「ん……」



「あ、林檎ちゃん。起きたね」



「ん……え!?」



 竜ちゃんが、私を抱えている状況である。
 どうして……って、倒れたからか。



「ごめん竜ちゃん! 大丈夫だよ、ごめん。降ろして?」



「だめ。バスがあるとこまで、もう少しだから、我慢してて」



 険しかった、泥や岩のあった山道が、いつの間にか砂利道になっていた。



 先には、きれいな湖も見える。



「そうだよ林檎! 今は甘えときな! あ、私に代わってほしかったら言いなよー?」



「……ごめん、2人ともありがとう」



 私が倒れたことはあまり広まっていないらしく、竜ちゃんと私を見ると皆、心配してくれた。



 でも、浩は最後尾だもんね、気づくわけ無いよね……。