「猫の手!」



「は?」



「危ないよ、それじゃ。包丁を使う時は猫の手を使うの。これ、ね?」



「へー」



 手を丸めて、再びニンジンを切る。
 何だか、可愛い。



「駄目だ、浩が可愛く見える……」



「嬉しくねー。カッコイイって言って」



「無理。早くニンジンと玉ねぎ切って」



 後は炒めてお水とカレー粉を加えればお終い!



 先程よりも、隣から聞こえる包丁の音が軽快になってきていた。



 猫の手もバッチリ。



 どうか合宿で美味しいカレーが作れますように……。