もしかしたら、ううん、絶対に後で捨てると思う。
 

 それでもその瞬間に、くしゃって潰すんじゃなくて丁寧に半分に折って筆箱にしまってくれた心遣いが嬉しかった。
 
 だって考えたら、あんなにキラキラした可愛らしい付箋なんて持っていたくないはずだから……
 
 2度目に会って、隣に座るお兄さんが、ノンフレームの眼鏡で黒髪の人だっていうことに気がついた。

 
 時計を見ると14時45分。
 

 私は慌てて最後の設問に取り掛かった。






 それ以降も私は自習室へと通い続けた。
 
 余程天気の悪い日は断念したけれど、それでも行けなかったのは2、3日程度で。
 
 とにかく残りの僅かな時間も勉強しなくちゃと必死だった。
 
 
 その甲斐あってか、12月の全国模試は点数が上がっていた。
 
 あと数点でA判定ってところだったけど……
 
 評価としてはBだったので、やはり塾の先生には公立か私立どっちかしか無理だろうって言われた。
 

 ……分かってる、ちょっと背伸びしてるのは。
 
 でも、行きたい。
 
 志望校は変えたく、ない。

 

 私は寒い中また自転車を漕いだ。