案外……始めてみれば私の集中力も大したもので、周りのことなんて一切気にならずカリカリとだけ音を立てていた。
時折気になる単語などは、その場で調べ確認する。
ふと『た行』を開く途中で『静謐』の文字が出て笑いがこみ上げる。
なんとか奥歯でその笑いをかみ殺して、辞書を引いた。
そうやって、どれくらいの時間が過ぎただろうか……
コン
と私の右ひじが当たった。
うわっっ、やばっっ
前回同様に慌てて顔を上げて隣を見る。
そしてまた、すみませんっと言おうとしたその時。
「しぃー」
こないだと全く同じ口調で
「しぃー」と咎められた。
その声に
「あ……」
流石の私も隣が、45番でお隣だった彼だと気がついた。
良く見れば足元に、こないだもあったクリアケースが置かれている。
『しぃー』と言われた手前、どう謝ろうかと悩んだ私。
けれど彼はそんな私を見ることなく、手元にある無地の黄色い付箋を引き寄せて何かをサラサラと書き始めた。
時折気になる単語などは、その場で調べ確認する。
ふと『た行』を開く途中で『静謐』の文字が出て笑いがこみ上げる。
なんとか奥歯でその笑いをかみ殺して、辞書を引いた。
そうやって、どれくらいの時間が過ぎただろうか……
コン
と私の右ひじが当たった。
うわっっ、やばっっ
前回同様に慌てて顔を上げて隣を見る。
そしてまた、すみませんっと言おうとしたその時。
「しぃー」
こないだと全く同じ口調で
「しぃー」と咎められた。
その声に
「あ……」
流石の私も隣が、45番でお隣だった彼だと気がついた。
良く見れば足元に、こないだもあったクリアケースが置かれている。
『しぃー』と言われた手前、どう謝ろうかと悩んだ私。
けれど彼はそんな私を見ることなく、手元にある無地の黄色い付箋を引き寄せて何かをサラサラと書き始めた。

