だけど、ホントに私なんかのためにココに居てくれてるのかな?
もしこの扉を開けて、お兄さんが居なかったら、私どうしたらいいんだろう。
そう思ったら、扉を開けるのが恐すぎて、手が震えた。
けど――
バーンッ
無情にも、私の意思と関係なく目の前の扉が勢いよく開いた。
「遅いっ!!」
って、懐かしのお兄さんの声付きで。
「扉の小窓から頭が見えてんの。待ってんだから早く開けてよ。待ちきれなくなった俺が恥ずかしいだろ?」
コツンと私の頭を軽く小突くお兄さん。
けれど今目の前で起きた状況についていけなくて、私は化石みたいに固まったまま。
「こーら。さらに無視するな。とりあえず入りなよ」
そう言ってクイッと私の手を引くと体を引き寄せると、お兄さんは後ろの扉をガチャンと閉めた。
どうやら高校の教室は鍵がかかるらしい。
――って、鍵!?
「お兄さんっ。鍵まで必要?」
「……第一声がそれ?」
ため息をつくお兄さん。
それに私も、ようやく二人で居た時の空気を思いだしてプハッと笑った。
「ごめんなさいっ。開けて居なかったらと思ったら、恐くて開けらんなかった」
「約束、しただろ? 俺破る奴に見える?」
「そ、そんなんじゃないけど……」
「まさか、俺が落ちてたと思ってた?」
「いや、それとも違くて」
「はぁ……じゃあ俺だけが楽しみだったの?」
いつかの時みたいに、寂しそうに瞳を揺らしたお兄さん。
やだっ。
お兄さんのこんな顔、見たかったわけじゃない―――
もしこの扉を開けて、お兄さんが居なかったら、私どうしたらいいんだろう。
そう思ったら、扉を開けるのが恐すぎて、手が震えた。
けど――
バーンッ
無情にも、私の意思と関係なく目の前の扉が勢いよく開いた。
「遅いっ!!」
って、懐かしのお兄さんの声付きで。
「扉の小窓から頭が見えてんの。待ってんだから早く開けてよ。待ちきれなくなった俺が恥ずかしいだろ?」
コツンと私の頭を軽く小突くお兄さん。
けれど今目の前で起きた状況についていけなくて、私は化石みたいに固まったまま。
「こーら。さらに無視するな。とりあえず入りなよ」
そう言ってクイッと私の手を引くと体を引き寄せると、お兄さんは後ろの扉をガチャンと閉めた。
どうやら高校の教室は鍵がかかるらしい。
――って、鍵!?
「お兄さんっ。鍵まで必要?」
「……第一声がそれ?」
ため息をつくお兄さん。
それに私も、ようやく二人で居た時の空気を思いだしてプハッと笑った。
「ごめんなさいっ。開けて居なかったらと思ったら、恐くて開けらんなかった」
「約束、しただろ? 俺破る奴に見える?」
「そ、そんなんじゃないけど……」
「まさか、俺が落ちてたと思ってた?」
「いや、それとも違くて」
「はぁ……じゃあ俺だけが楽しみだったの?」
いつかの時みたいに、寂しそうに瞳を揺らしたお兄さん。
やだっ。
お兄さんのこんな顔、見たかったわけじゃない―――

