まぁ、普通は第2ボタンが欲しいって言うよね。
私もそういうところ、可愛げがたりないんだろうとは思うんだけど……でも、これがいいんだもん。
「4番目は学業成就なんです」
「へぇー、そうなんだ」
「お兄さんのは、かなり御利益がありそう」
「なんで?」
真剣に悩んでいる様子のお兄さん。
その表情ににんまりとしながら、私は答えを言った。
「私、T高第一希望なんです」
歯を見せてニッと笑うと、お兄さんは意味を理解して笑った。
「へぇえ、じゃあ後輩だ」
「受かれば、ですけどね」
宣言しながら照れる私を、お兄さんはにこやかな笑顔で見つめてくれた。
――言ったのは恥ずかしいけど、やる気、出たかも。
「コレ、私も受験の日に持って行きます。絶対」
「うん」
ギュッと最後に握りしめてから、もらったボタンを筆箱の中にしまった。
ここだといつも傍にあるから――
「じゃあ、行こうか」
「はぁい」
「まじで、寒くてごめんな」
立ちあがって、出口へと向かう。
私の半歩前を歩くお兄さん。そのリアルな距離が、今の私達の距離感そのままだ、って感じた。
公園を出る直前、お兄さんはくるりと振り返ると私にとってはかなりショックな言葉を口にした。
「俺、しばらく……というか、もう自習室行かないんだ」
その言葉はあまりにもショックすぎて、私は言葉が出なかった。
お兄さんが、来ない。
そりゃあ、確かに私が自習室に通い始めたのは、勉強を……つまりは、静謐な場所を、求めて来たわけで。
お兄さんが居たからじゃない。
それは分かってる。
だからいつも勉強も頑張ってるし、手も抜いてないつもり。
でも、私はお兄さんが居る空間を知ってしまった。
そんな私から、お兄さんと会えるかもしれないと言う楽しみを取ってしまったら――?
私、頑張って来れる気が、しない……カモ。
私もそういうところ、可愛げがたりないんだろうとは思うんだけど……でも、これがいいんだもん。
「4番目は学業成就なんです」
「へぇー、そうなんだ」
「お兄さんのは、かなり御利益がありそう」
「なんで?」
真剣に悩んでいる様子のお兄さん。
その表情ににんまりとしながら、私は答えを言った。
「私、T高第一希望なんです」
歯を見せてニッと笑うと、お兄さんは意味を理解して笑った。
「へぇえ、じゃあ後輩だ」
「受かれば、ですけどね」
宣言しながら照れる私を、お兄さんはにこやかな笑顔で見つめてくれた。
――言ったのは恥ずかしいけど、やる気、出たかも。
「コレ、私も受験の日に持って行きます。絶対」
「うん」
ギュッと最後に握りしめてから、もらったボタンを筆箱の中にしまった。
ここだといつも傍にあるから――
「じゃあ、行こうか」
「はぁい」
「まじで、寒くてごめんな」
立ちあがって、出口へと向かう。
私の半歩前を歩くお兄さん。そのリアルな距離が、今の私達の距離感そのままだ、って感じた。
公園を出る直前、お兄さんはくるりと振り返ると私にとってはかなりショックな言葉を口にした。
「俺、しばらく……というか、もう自習室行かないんだ」
その言葉はあまりにもショックすぎて、私は言葉が出なかった。
お兄さんが、来ない。
そりゃあ、確かに私が自習室に通い始めたのは、勉強を……つまりは、静謐な場所を、求めて来たわけで。
お兄さんが居たからじゃない。
それは分かってる。
だからいつも勉強も頑張ってるし、手も抜いてないつもり。
でも、私はお兄さんが居る空間を知ってしまった。
そんな私から、お兄さんと会えるかもしれないと言う楽しみを取ってしまったら――?
私、頑張って来れる気が、しない……カモ。

