――うーん、どうしよう……
私の物欲ってすっごく低い。
そりゃあ読みたい漫画もあるし、欲しい服もある。してみたいゲームとかも。でもそのどれもこれも受験生には不要というか。
今の私に欲しいものじゃないし、それってお守りにならないし。
んーー、なんかないかな……と思ったところで閃いた。
お兄さんのだったら最も御利益がありそうな、モノ。
「お兄さん、T高ですよね?」
「そうだけど」
私の突然の質問に不思議そうに答えてくれた。
学ランって、どれも一緒に見えるから学校が分かりづらいんだけど、ボタンをよくみたら分かった。
だって……私の第一志望の公立高校、だから。
「あの、第4ボタンください」
「へ? ボタン??」
「そう、学ランの」
「そんなんでいいの?」
「うん、それがいいです」
「分かった。4番目な」
言うや否や、ブチっと音がしてお兄さんの掌にはさっきまで学ランについていた第4ボタンが握られていた。
「はい」
あまりにも潔い、男らしい渡しぶりに茫然とした私。
手を掴まれて机越しに引き寄せられると、お兄さんの手に握りこまれたボタンがコロンと私の手に転がされた。
「あ、りがと」
「ん」
ビックリと嬉しさの入り混じった気持ちで、ぎゅっと握りしめた。
お兄さんのボタン、やったぁ……!
あれ? でも……
私は大変なことに気がついた。
「まだ学校ありますよね!?」
「あるけど」
「こここ、コレ! ないとダメじゃないですかーー!」
「大丈夫、1個くらい」
「えぇええっっ! ごめんなさいーー」
「いいって、気にするなよ。ってか、第4って何かあるの?」
謝り足りない気持ちでいっぱいの私にお構いなく、お兄さんは疑問をぶつけてきた。
私の物欲ってすっごく低い。
そりゃあ読みたい漫画もあるし、欲しい服もある。してみたいゲームとかも。でもそのどれもこれも受験生には不要というか。
今の私に欲しいものじゃないし、それってお守りにならないし。
んーー、なんかないかな……と思ったところで閃いた。
お兄さんのだったら最も御利益がありそうな、モノ。
「お兄さん、T高ですよね?」
「そうだけど」
私の突然の質問に不思議そうに答えてくれた。
学ランって、どれも一緒に見えるから学校が分かりづらいんだけど、ボタンをよくみたら分かった。
だって……私の第一志望の公立高校、だから。
「あの、第4ボタンください」
「へ? ボタン??」
「そう、学ランの」
「そんなんでいいの?」
「うん、それがいいです」
「分かった。4番目な」
言うや否や、ブチっと音がしてお兄さんの掌にはさっきまで学ランについていた第4ボタンが握られていた。
「はい」
あまりにも潔い、男らしい渡しぶりに茫然とした私。
手を掴まれて机越しに引き寄せられると、お兄さんの手に握りこまれたボタンがコロンと私の手に転がされた。
「あ、りがと」
「ん」
ビックリと嬉しさの入り混じった気持ちで、ぎゅっと握りしめた。
お兄さんのボタン、やったぁ……!
あれ? でも……
私は大変なことに気がついた。
「まだ学校ありますよね!?」
「あるけど」
「こここ、コレ! ないとダメじゃないですかーー!」
「大丈夫、1個くらい」
「えぇええっっ! ごめんなさいーー」
「いいって、気にするなよ。ってか、第4って何かあるの?」
謝り足りない気持ちでいっぱいの私にお構いなく、お兄さんは疑問をぶつけてきた。

