「テストでね、2回ほど番号で記入するテストがあったんです。その時たまたま塾でその鉛筆をもらって持ってたんですけど……どうしても分からない問題が合って、試しにコロコローってしてみたんですよ。そしたら4って、出て。時間もないからとりあえず4って書いたら当たり! たまにはそういうのもありかな? みたいな」
「へぇー。御利益ありそうだね」
「それで、2回目のテストでも同じことがあって正解して。まぁたまたまなんですけど。お守りなんです。だから、どうぞっです」
私がそう言って、両手を開いてどうぞと言うと
「いいの? お守りなのに」
不安そうに尋ねてきた。やっぱりいい人だ。
「いいんです。私はお兄さんにもらったホンモノがあるから」
「それって、俺も同じでしょ?」
「いーの。私もお礼なんですから。お兄さんがいるから、自習室通うことができました。だから、ありがとうなんです」
「俺、なんかした?」
「はいっ、とっても」
好きにならせてくれました。
とは口にできずに、ただにっこり笑った。
でも……
「あ、鉛筆なんかでごめんなさい」
「なんで? お前の大事なもんだろ? ありがと。受験の時、絶対持ってく」
向かいから手を伸ばして、わしゃわしゃって頭を撫でられた。
お兄さんの大きな手は、とっても心地がイイ。
乱れた髪を懸命に戻しながら、私は嬉しかった。
「でも、俺のお礼が足りてないよね」
「えーいいですよ、別に」
「それはダメ。なんか欲しいモノない? 高いのは無理だけど」
「いや、ほんとにいらないです」
「ダメ。言わないと」
わざとらしく怒った表情を見せながら、おどけてそう言われた。
「へぇー。御利益ありそうだね」
「それで、2回目のテストでも同じことがあって正解して。まぁたまたまなんですけど。お守りなんです。だから、どうぞっです」
私がそう言って、両手を開いてどうぞと言うと
「いいの? お守りなのに」
不安そうに尋ねてきた。やっぱりいい人だ。
「いいんです。私はお兄さんにもらったホンモノがあるから」
「それって、俺も同じでしょ?」
「いーの。私もお礼なんですから。お兄さんがいるから、自習室通うことができました。だから、ありがとうなんです」
「俺、なんかした?」
「はいっ、とっても」
好きにならせてくれました。
とは口にできずに、ただにっこり笑った。
でも……
「あ、鉛筆なんかでごめんなさい」
「なんで? お前の大事なもんだろ? ありがと。受験の時、絶対持ってく」
向かいから手を伸ばして、わしゃわしゃって頭を撫でられた。
お兄さんの大きな手は、とっても心地がイイ。
乱れた髪を懸命に戻しながら、私は嬉しかった。
「でも、俺のお礼が足りてないよね」
「えーいいですよ、別に」
「それはダメ。なんか欲しいモノない? 高いのは無理だけど」
「いや、ほんとにいらないです」
「ダメ。言わないと」
わざとらしく怒った表情を見せながら、おどけてそう言われた。

