想像が爆発しすぎて、しばらく固まって動かない私。

 それにようやく気がついたのか


 「食べないの?」


 って、不思議そうな顔で私を見つめて言うお兄さん。

 私は依然顔は赤いままで。

 なんて言ったらいいんだろうって思いながらも、


 「た、べます、よ?」


 と安易に返答をしてしまった。


 ドキドキを隠せないままに答える私には気がつかないのか


 「いらないなら、貰おうかと思ったのに残念」


 お兄さんはペロッと舌を出しながらそう言った。

 私はその冗談なのか本気なのか分からないその言葉に


 「あ! あげませんっっ!!」


 ちょっとだけ声を張り上げて、勢いでおにぎりにかぶりついた。

 だって、お兄さんが口にしたおにぎり、誰にも奪われたくなかった。

 そして口にいれてからハッとした。


 ――あっ! だから、間接××!!


 もうキスと言う単語すら自分で言えないほどに興奮しすぎて、慌てて飲み込もうとする。

 そうしたらそれが仇となってむせた。


 「ごほっっ、ごほっごほっ!」


 物凄い勢いで食べたかと思えばむせた私を見て


 「ちょ、大丈夫?」


 ビックリしたお兄さんは、抵抗なく私の背中を自然と擦る。

 それに私はまた反応して、体が熱くなる。
 
 もう、お兄さんのせいで私の体は熱くなるし、顔は赤いまんまだし、恥ずかしいことばっかりだ。


 しばらくゴホゴホして治まってから、


 「すみま、せん。だいじょぶ、です」


 なんとかお兄さんに伝えて、背を擦る手を止めさせようと試みた。

 けれどお兄さんの止めたのは擦る行為だけで、手は背に添えられたままになってしまった。


 置かれた手が、熱い。

 でも離れてほしく、ない。


 また私の胸がキューって鳴る。