言葉とかなくて、でもなんか通じ合った感じがすごくする。私はそのことにまた喜びを感じた。 

 ――そう思った矢先。


 キュルルルル



 あり得ないことに私のお腹が鳴った。

 周りの人はすでに外に出てる人が多くて、私の近くには向かいに座るお兄さんだけ。


 だから、聞こえるとしたら、お兄さんだけ……って、最悪っ!!


 私は恥ずかしい気持ちで顔を真っ赤にして俯いた。

 お兄さんに私のお腹の音が聞こえたかどうかは分からない。

 でもそれを確認もしたくないし、知りたくもない。

 12時を20分ほど過ぎたせいか、また戻ってきた人たち。

 私はその光景を横目に見ながら、用意してきたモノが鞄にあるのを確認して、下を向きながら自習室を飛び出た。


 ――――――

 はぁーーー。


 思い切りため息をつきながら、休憩室に入った。

 自習室を出てすぐ隣にある休憩室は本当にただの休憩室で、紙パックの飲料が入った自販機だけが置いてあるだけ。

 あとは3人がけのベンチが3つ、コの字型に置かれているというシンプルすぎる休憩室。

 12時になってすぐに来たら座れないだろうと思って、時間を空けて来ようと思っていたんだけれど…… あんなことになるなら、さっさと来れば良かった。

 私は本気で落ち込みながら、静かに休憩室に入った。