年末最後に来た自習室、久しぶりにお兄さんを見た。
正確には、近くに座った……なんだけど。
それだけでなぜだかドキドキした。
ほんと言うと、来てるかどうかいつも確認してた。
けれど隣になることなんて無くて、その度に少しがっかりした気持ちになる。
早く来れば良かったとか、もう少し遅かったら良かった……とか。
でもそう思うのも一瞬で、席に着いてしまえば気持ちを切り替えて勉強を始められた。
それが静謐な空間とやらの効果かもしれない。
今日は35番。
席札を確認していつものように準備をしようと椅子を引こうと思った時――向かいの25番に、お兄さんが居ることに気が付いて目を見開いた。
けれど、私と違ってお兄さんは私に気がついた様子はなくて。ただ黙々と問題集を解いて、下を向いている。
――赤い本って、確か本屋さんで大学受験のために置かれてたやつ、だよね?
ふとそんな情報を思い出し、お兄さんが大学の受験生だってことだけ分かった。
チラチラ見てお兄さんのことをあれこれ詮索しながら、椅子を引いて小さくギギギギと音を立てて座る。
正確には、近くに座った……なんだけど。
それだけでなぜだかドキドキした。
ほんと言うと、来てるかどうかいつも確認してた。
けれど隣になることなんて無くて、その度に少しがっかりした気持ちになる。
早く来れば良かったとか、もう少し遅かったら良かった……とか。
でもそう思うのも一瞬で、席に着いてしまえば気持ちを切り替えて勉強を始められた。
それが静謐な空間とやらの効果かもしれない。
今日は35番。
席札を確認していつものように準備をしようと椅子を引こうと思った時――向かいの25番に、お兄さんが居ることに気が付いて目を見開いた。
けれど、私と違ってお兄さんは私に気がついた様子はなくて。ただ黙々と問題集を解いて、下を向いている。
――赤い本って、確か本屋さんで大学受験のために置かれてたやつ、だよね?
ふとそんな情報を思い出し、お兄さんが大学の受験生だってことだけ分かった。
チラチラ見てお兄さんのことをあれこれ詮索しながら、椅子を引いて小さくギギギギと音を立てて座る。

