トシノサレンアイ- 狼と仔猫 -


「我慢しなくていいんだ。俺の前では、我慢なんてする必要ないだろ?」

「うぅぅぅ……寂しかった……ずっと、寂しかったよぉ……!」

「安心しろ。これからは俺が……俺がずっとそばに居てやるから」

「うぅ……アズマァ……」


アズマのシャツをギュッと握りしめるあたしの手を取って、その甲に優しくキスを落とす。

続いて、頬を流れる涙を掬い取るように何度も口付けていく。


「また辛くなったらいつでも胸貸すからよ。泣け。今までの分まで」





ああ……あたし、もう一人じゃなくていいんだね。

こんな子供みたいに大声で泣いても、いいんだね。

我慢しなくても、いいんだね。