なんとか勉強を終え、シングルベッドに二人で入る。
ちょっと狭いけれど、寒さを凌ぐのには丁度良い。
「そろそろ、話してくれないか?」
「えっ?」
「家庭の事情」
「あぁ……」
やっぱり、気になっていたんだね。
「あたし、捨てられたの」
「どうして?」
「お母さんが不倫して、別の男の人との間に赤ちゃんが出来て、それで離婚って流れになってね……お父さんにもお母さんにもあたしは必要なくなっちゃったの」
「……そうか」
「最低限の生活費だけは仕送りしてくれてるだけマシなんだけどね。でも、酷いよね。あたしにとってはたった一人しかいないお父さんとお母さんなのにさ~。もう、やんなっちゃうわよ」
「無理に笑うな」
「無理してないよ」
「強がり」
「強がって……ないよ」
「泣けよ」
「……」
「寂しかったろうに」
「うぅ……」
堰を切ったように涙が溢れ出す。
