ミズキは両腕を頭の後ろで組みながら、小石を蹴り飛ばした。
「さーて、そろそろ帰ろっか」
「うん。そうだね……あっ」
バサリ
開いていることに気付かずに学生鞄を持ち上げた瞬間、見慣れないノートが1、2冊地面に落ちた。
いけない。丘野くんに借りたノートだ。
「セツナ、それ……」
「ああ、今日学級委員の丘野くんが貸してくれたんだ。あたし、昼休みから6限目までぶっ通しで寝ちゃってたみたいで」
「あんた、本当にダブルス解消にまで発展させられないようにだけしてちょうだいよね」
呆れ顔で苦笑するミズキ。
ああ、あたしもそれだけは嫌だわ。
「それじゃ、また明日学校でね」
「うん!またね」
あたし達はそれぞれの帰路についた。
