「大丈夫よ。あたしには心強~い“家庭教師様”がついてるから!」
「カテキョ?あんたそんなの雇ってたの?」
「まぁ……成り行きで」
「ふーん?」
「さ、そんなことはどうでもいいから、練習しに行くわよ天野部長!」
「オーケー、谷口副部長!」
その日、あたし達は日が暮れるまで練習をした。
テスト前ということもあるので、他の部員は流石に帰らせたけれど。
「なーんか、最近機嫌いいよね、セツナ」
「そうかな?」
「うんうん。恋ってそんなに楽しい?」
「まぁ、活力にはなるよ。ムカつくこともあるけど……」
特に、この首筋の欝血とかね。
「そうなんだ~。いいなぁ。私も恋、してみたいな~」
「何々?好きな人いないの?」
「いるわけないじゃーん。セツナのクラスならともかく、私のクラスむさい男子ばっかりなんだもん」
「ミズキは昔から華奢な男子が好みだったもんね」
「あー、どこかに素敵男子落ちてないかしら~」
